2026年3月議会:仙厓(せんがい)を生かした取り組みについて

問題意識

江戸時代の禅僧・画家である仙厓は、東京・出光美術館の年次報告書によれば同館で最も人気の高い展覧会であり、全国30館以上を巡回するほどの人気がある。会派視察で訪れた門司(出光美術館 門司)でも仙厓への関心の高さを実感した。これほど魅力のある仙厓を関市はまだ十分に生かせていないのではないかという問題意識から質問する。

(1) 関市が所蔵する仙厓の作品数は

関市が所蔵する仙厓の作品は、絵画36点、木・陶器の像3点、書や短歌集3点の合計42点。武儀川ふるさと館及び文化会館に収蔵されており、生誕の地として貴重な財産と位置づけられている。

(2) これまで開催してきた仙厓に関する取り組みは

武儀川ふるさと館の特別展示室で仙厓を含む地元ゆかりの作家の作品を常時展示し、年4回展示替えを行っている。令和5年9月から11月には、仙厓に特化した企画展として地元の日本画家・小川東洲の作品と合わせた特別展を開催し、通常の倍以上の来館数があった。仙厓に特化したパンフレットは未作成だが、生涯や作品を紹介する15分の映像・音声案内を館内に設置し、建物東側壁面に「仙厓の里」と掲示、地元仙厓顕彰会が「仙厓生誕の地」の看板を道路沿いに設置している。

(3) 作品借用による展覧会開催の可能性と課題は

令和5年度の企画展の際、早稲田大学會津八一記念博物館との間で作品借用の調整を行った経緯があるが、武儀川ふるさと館の展示室・収蔵庫の温度管理等の環境が同博物館の作品保護要望に応えるには不十分で、魅力的な作品の借用をやむなく断念した経緯がある。

(4) 重要な美術品を展示できる施設整備の検討は

武儀川ふるさと館は公共施設再配置計画において、武儀郷土資料館・塚原遺跡公園などとともに関市文化会館と統合し効率的な運営を目指す位置づけとなっている。本年度は文化会館の耐力度調査を実施しており、その結果をもとに修繕計画や施設の役割、他施設との統合を検討していく。武儀川ふるさと館は地元文化芸術団体の活動拠点でもあり地域の意向も重要であるため、財政面と地域の思いの両面に配慮しながら長期的な視点で整備を検討していくとの答弁だった。

(5) 仙厓を生かした発信の強化方針は

歴史とのつながりは市民の地域への愛着を育むとともに、市の魅力を内外に示す重要な素材であるとし、仙厓に特化したパンフレットの作成やInstagram等SNSを活用し、所蔵作品それぞれに学芸員による解説を行うなど発信を強化していく。仙厓は今年で生誕推定286年目にあたり、生誕300年の節目には、仙厓ゆかりの地域や収蔵数の多い美術館、愛好家等と連携した企画を検討していきたいとの答弁だった。

再質問では、今後PRが進み関市が「仙厓生誕の地」として人気が出た場合に、公共施設再配置計画の中での武儀川ふるさと館の扱いの方針が変わる可能性を確認したところ、施設の重要度が増した場合には柔軟な姿勢で財政面・地域の思いの両面に配慮しながら長期的な視点で整備を検討していくとの回答だった。

2026年3月議会:国民健康保険の取り組みと予防医療の推進について

問題意識

議員になり15年ぶりに国民健康保険に加入し、保険税の高さに驚いた。調べると15年前より負担率が1.17倍(約11.7%増)になっていた。当局から提供された「令和6年度の国民健康保険の事業概要」を読み、被保険者数が減少し1人当たりの負担が増える中で、「病気になってから治す医療」から「データを活用して病気を未然に防ぎ重症化させない医療」への転換が重要だと感じ質問する。

(1) 被保険者の負担の状況と要因、保険税を上げる判断基準は

国民健康保険税は所得割・均等割・平等割の3方式(医療給付費・後期高齢者支援金分・介護納付金分)で構成される。10年前の平成28年度と令和7年度を比較すると(資産割を除く)、所得割は9.05%から11.11%、均等割は4万3,200円から5万400円、平等割は4万1,400円から3万7,200円(平等割は介護納付金分のみ減額、所得割・均等割はすべての区分で増額)。1人当たりの当初調定額は年額12万1,291円から13万9,486円と約1万8,000円増加している。要因ははっきりとは把握できないが、被保険者数の減少や高齢化、1人当たり医療費の増加傾向が考えられる。保険税値上げの判断基準は特に設けていないが、医療費の推移や国県交付金の額、収支状況等を総合的に勘案して適宜検討しているとのことだった。

(2) 国民健康保険事業の取り組みの全体像(保険者努力支援制度)は

「保険者努力支援制度」は、保険者が被保険者の健康維持・医療費削減・国保財政の健全化に向けて取り組んだ成果を評価し、国が交付金を交付するインセンティブ制度。令和7年度は12項目の評価指標(特定健診受診率、後発医薬品使用促進、保険税収納率等)で評価され、関市はメタボ該当者・予備軍の減少率や歯科健診受診率、後発医薬品使用割合、保険税収納率等で高い成績を収め、総合実績で県内42市町村中9位、交付金は約3,000万円だった。一方でマイナンバーカード利用登録者数の割合やマイナ保険証利用率等の項目では加点が得られず、当面の課題とのことだった。

(3) 年間1人当たりの医療費の推移とその増加要因は

被保険者1人当たりの医療費は、令和3年度30万7,547円、令和4年度31万3,374円、令和5年度33万1,214円、令和6年度33万6,286円で、4年間で約9.3%増加している。KDBシステムの令和6年度疾病統計では糖尿病が最多で、次いで慢性腎臓病、関節疾患の順。人工透析導入者の1か月の費用は平均およそ45万8,000円で、生涯継続する治療のため医療費を押し上げる要因になっている。

(4) 糖尿病性腎症重症化予防プログラムの取り組みと成果・課題は

特定健診の結果やレセプトデータの分析から医療機関未受診者・糖尿病未治療者・治療中断者を選定し面談等での保健指導を実施。糖尿病性腎症を発症またはリスクの高い方には医療機関と連携した保健指導を行い、重症化予防に努めている。令和2年度からかかりつけ医との連携による保健指導を開始したが、当初の依頼率は5.4%と低かったものの、令和5年度38.4%、令和6年度40.5%と年々増加し連携体制が整いつつある。一方、保健指導を実施した方の翌年度の健診受診率が低いことや、血圧・慢性腎臓病の重症度分類の維持改善が中間評価の目標値に及ばないことが今後の課題とされた。

(5) 特定健診の受診率向上の取り組みと受診率が向上しない理由は

特定健診の受診率は令和4年度33.8%、令和5年度34.4%、令和6年度34.3%で、国の目標値60%に達していない。特定保健指導の利用率も令和6年度で36%、積極的支援対象者78人のうち利用者10人・終了者5人で終了率6.4%と、県内38位・ワースト5位の低さを指摘した。

市はこれまで、はがきによる個別勧奨やインターネット予約受付を実施し、特に年齢別・受診歴・生活習慣病治療情報等でパターン分けした圧着ハガキでの受診勧奨が最も効果的だったとしている。令和5年度の市民意識調査では、健診を受けない理由は「面倒だから」が最多で「忙しいから」「費用がかかるから」と続き、受けやすくなる条件は「予約が簡単に取れる」「無料にする」の順で多かった。これを踏まえ令和6年度から個別健診でもインターネット予約を利用できるよう拡大している。特定保健指導は、令和4年度から市の専門職(保健師・管理栄養士)による家庭訪問指導を開始し動機付け支援の終了率は増加傾向にあるが、積極的支援対象者は40〜50歳代で就労中の方が多く、面談につながりにくいことが課題とされた。

(6) AI等データを活用した特定健診受診勧奨の新たな取り組みは

本年度は県の補助金を財源に、AI分析とナッジ理論を活用した受診勧奨の委託業務を実施している。AI分析で「いつ・誰に・どのように勧奨すべきか」を分析し、ナッジ理論では未受診者を7つのパターンに分けたメッセージで勧奨を行っている。委託先は全国800を超える自治体で勧奨事業を支援し実績を上げており、本市でも受診率向上の効果が期待されるとのことで、次年度も継続予定。

再質問では、目標の受診率47%達成のためには具体的にあと1,404人の受診が必要になるという試算を示し、これまでの郵送勧奨(空中戦)に加え、保健師による直接の訪問勧奨(地上戦)の重要性を指摘。地域ごとの医療費差(板取地区は1人当たり54万円、上之保地区は37万円という2016年データ)にも触れ、集落支援員や地域包括支援センター、地域委員会等と連携した訪問型勧奨の実施を提案した。答弁では、令和6年度実績で洞戸地域28.1%、板取地域30.7%、武儀地域40.9%、上之保地域43.6%と地域差があることを認め、地域と連携した受診勧奨の検討はしていきたいが、対象が国民健康保険被保険者に限られることや個人情報の観点から課題も多いとした。

2026年3月議会:早活人材(高卒就職者)支援について

問題意識

関市は若者の流出が大きな課題であり、その要因の一つは仕事である。これまで大卒や女性の就職支援について取り上げてきたが、今回は高校卒業時の就職支援に焦点を当てる。地元企業での高卒人材の採用が非常に困難であるという問題意識のもと質問する。

(1) 市内高校の就職と市内企業への就職の割合は

令和8年3月卒業予定者の状況として、関商工は就職者が150人で就職率は58.6%、このうち市内就職は48人で全体の18.8%。関有知高校は就職者が62人で就職率50%、うち市内就職者は31人で全体の25%。進学率は4割から5割程度となっている。市内就職の割合が低く、行政としてより多くの生徒に市内企業へ就職してもらうための取り組みが課題となる。

(2) 市内企業が高卒採用に求めるニーズと求人倍率は

高校生の求人倍率は、関商工高校の工業科で30倍、商業科は48倍、関有知高校は6倍から7倍。多くの市内企業で若手人材が不足しており、高卒採用のニーズは非常に高い。製造業が盛んな本市では、工業科出身の若い人材を獲得したいと考える中小企業・小規模事業者が多い。

(3) 1人1社制等の高卒採用規制による困難は

「1人1社制」とは、高校生が学校推薦で応募できる企業を原則1社に限定するルールで、生徒が公平に就職機会を得られるようにするため、また過度な就職活動による学業・部活動への影響を軽減する目的で設けられている。生徒は学校のサポートを受けながら安心して就職活動できる一方、応募先が1社に限定され選択肢が狭まる面もある。現状は大きな混乱には至っていないが、ルール見直しは慎重な検討が必要との答弁だった。秋田県や大阪府では複数応募を認める事例も出てきており、ミスマッチや早期離職につながる可能性がある点は今後の検討課題として指摘した。

(4) 市内高卒就職者の3年以内の離職率は

ハローワークに確認したところ市独自の統計はなく、令和6年の労働局調査による全国的な高卒就職者の3年以内離職率は38%で、本市も同程度と想定される。参考として大学は33.8%、短大は44%となっている。

(5) 現状を踏まえた高卒支援策と成果、アプレンティスシップの活用は

市はバスを利用した企業見学ツアーや合同企業説明会を実施しているが、独自の5段階のフェーズ分けで見ると、長期インターンシップなど「定着支援」の前段階にあたる取り組みが不足していると指摘した。その解決策として「アプレンティスシップ(徒弟制度・見習い制度)」、働きながら学び特定の職業スキルを実践経験できる訓練方式を提案。豊田市の事例を紹介し導入を求めた。

答弁では、アプレンティスシップは生徒が実際に企業で働くことで知識や技術を身につけ、将来のキャリアを考える機会として有効な方法であり、現状の短期インターンシップでは得られない経験価値があるとした一方、高校の授業との兼ね合いや生徒の多忙な高校生活への影響を考慮する必要があり、学校・生徒・保護者・企業側それぞれの理解と、企業の受け入れ環境整備や指導体制の議論が必要として、先進事例を参考に研究を進めるとした。

(6) 福祉分野での人材確保(開拓奨学生の取り組み)は

アプレンティスシップの中でも福祉の現場は資格と実務経験が重視されるため特に効果的とされる。愛知県の「開拓奨学生」の取り組みを紹介し、福祉人材不足解消の一助としての活用を提案した。答弁では、介護福祉人材の不足は深刻な課題と認識しており、開拓奨学生のような取り組みは社会課題解決の一つとして有効と考えられるが、市内には福祉・介護を専門に学べる高校が現状なく、社会全体の課題として今後検討していくとの回答だった。

(7) 高卒就職者への定着支援は

採用人数の少ない市内企業では同期をつくりにくいため、地域内で同期のような場をつくる定着支援を提案した。答弁では、みんなの就職サポートセンターでの高卒採用向上セミナー開催、岐阜県ワークライフバランス推進企業や関市女性が働きやすい職場認定企業の認証推奨、市民健康課による企業向け健康経営セミナーなど、働きやすい職場環境の整備やキャリア形成支援を通じて定着を支援していきたいとの回答だった。豊田市では定着支援とアプレンティスシップを両輪で行っている例も紹介し、あわせた検討を求めた。

(8) 就職・進学に関する生徒・保護者・教員の意識醸成は

関商工では近年進学率が上昇傾向にあり、社会情勢や価値観の変化が影響していると考えられる。就職か進学かは生徒・保護者・教員が時間をかけて話し合い決定しているとし、市内企業との連携やインターンシップ、探究の時間を活用した企業との共同開発など、他校と比較しても充実した取り組みを行っているとの答弁だった。取り組みが実際の成果に結びついているかの定量的な分析は現状不十分であり、今後の課題として指摘した。

今回の特集は「関の高卒就職って今どうなっとる?」です!

Screenshot

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会報誌『コクリエセキ』最新号第11号2026年2月発行をアップしました。

今回は「関市は外部のコンサルタントに頼りすぎでは?」というテーマの記事です。

市が過去3年間に策定した計画の実に9割、約6,5,66万円を市外のコンサルに出している事実を、

私は以前より課題だと考えております。

関市の未来のため、計画をもっと職員や市民で考えて作る過程が大事です。

ぜひご覧いただきご意見をいただけると嬉しいです。

会報誌『コクリエセキ』最新号第10号をアップしました.

今回の特集は「シン・自治会」これからの地域コミュニティについての自分と市の考えを書きました。

こちらからご覧ください!

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北村たかゆきと一緒に住むならやっぱり関を考える通信

コクリエセキの最新号ができました!

今回は、今、関市を騒がせているご当地映画補助金返還請求問題について

現状をまとめました。

令和6年第3回定例会においてこのような質問をしました。